救い。(SS:コードギアス/ルルスザ/16話ネタバレ→捏造)
2007年2月4日 SS【その他】「……おれ…は…」
なんで。
何で
父さんのこと
『父親殺し』
「…っ違うッ、おれは…!!ただ父さんを…戦いを止めたかった…ッ!!」
『死にたいんだろう?だれかを助けて……だから』
『罰が欲しいだけの甘えん坊』
『結局自分が救われたいだけだろ?』
「違うっ!!!おれ、は…」
「スザクっ!!」
パシッ…と頬に熱が宿る。
「…ぁ……」
紫紺の瞳が心配そうに揺らぐ。
あぁ、駄目だな。また「この馬鹿」って言われちゃうな。
じわりと痛みを帯びた頬に手をあて、目を伏せた。
「…ごめん、ルルーシュ」
「いや、おれの方こそ」
いくら呼びかけても無駄だったから、強行手段を使ったと、相変わらずな傍若無人っぷりに少し呆れて「痛かったか」と聞かれ、こんな平手くらいじゃ音をあげないが「ちょっとね」と嘘を吐いた。
「悪かったな、スザク…」
それは、この事件に関わらせてしまったことへか。
それとも、あの犯人のこと…?
「いいんだ」
無理やりに微笑めば、また、ルルーシュの瞳が翳る。
「ルルーシュ…?」
「…この…」
引かれた腕に「この馬鹿!!」が降ってくるのを身構えていると、一向に怒声を浴びせられることなく、ただその少し華奢な腕の中に引き込まれただけだった。
「すまなかった」
珍しい。ルルーシュが二回も謝るなんて、と。
頭の片隅でそんなことを考えてた。
「ルルーシュ、僕、君に言ってな…」
ずっと黙っていたことがある。
君をずっと騙していたことがあるんだ。
「言わなくていい」
「でも」
「どうでもいい。だから…」
引き寄せられ、視界がルルーシュの制服の色、一色になる。
「今ぐらいは泣いておけ、この馬鹿…」
なんて泣き方をするんだ、と言われて、初めて自分が声も出さずに泣いていることに気がついた。
「っ、ごめ、ルルっ…シュ」
なんだか気づいてしまったら止まらなくて。
後から後から溢れてきて。
こんなに涙が溢れて止まらないのは、父さんの血に染まった、あの夜以来だった。
柔らかく髪を梳いて、子どもをあやすように抱きしめてくれる、
その感触が、ひどく切なくて、ルルーシュの制服を皺になるとかも考えないで、きつく握り締めた。
ルルーシュ
きっと、君は「この馬鹿!!」って怒るだろうけれど。
僕は、君を守って死にたいんだ。
[END]
なんで。
何で
父さんのこと
『父親殺し』
「…っ違うッ、おれは…!!ただ父さんを…戦いを止めたかった…ッ!!」
『死にたいんだろう?だれかを助けて……だから』
『罰が欲しいだけの甘えん坊』
『結局自分が救われたいだけだろ?』
「違うっ!!!おれ、は…」
「スザクっ!!」
パシッ…と頬に熱が宿る。
「…ぁ……」
紫紺の瞳が心配そうに揺らぐ。
あぁ、駄目だな。また「この馬鹿」って言われちゃうな。
じわりと痛みを帯びた頬に手をあて、目を伏せた。
「…ごめん、ルルーシュ」
「いや、おれの方こそ」
いくら呼びかけても無駄だったから、強行手段を使ったと、相変わらずな傍若無人っぷりに少し呆れて「痛かったか」と聞かれ、こんな平手くらいじゃ音をあげないが「ちょっとね」と嘘を吐いた。
「悪かったな、スザク…」
それは、この事件に関わらせてしまったことへか。
それとも、あの犯人のこと…?
「いいんだ」
無理やりに微笑めば、また、ルルーシュの瞳が翳る。
「ルルーシュ…?」
「…この…」
引かれた腕に「この馬鹿!!」が降ってくるのを身構えていると、一向に怒声を浴びせられることなく、ただその少し華奢な腕の中に引き込まれただけだった。
「すまなかった」
珍しい。ルルーシュが二回も謝るなんて、と。
頭の片隅でそんなことを考えてた。
「ルルーシュ、僕、君に言ってな…」
ずっと黙っていたことがある。
君をずっと騙していたことがあるんだ。
「言わなくていい」
「でも」
「どうでもいい。だから…」
引き寄せられ、視界がルルーシュの制服の色、一色になる。
「今ぐらいは泣いておけ、この馬鹿…」
なんて泣き方をするんだ、と言われて、初めて自分が声も出さずに泣いていることに気がついた。
「っ、ごめ、ルルっ…シュ」
なんだか気づいてしまったら止まらなくて。
後から後から溢れてきて。
こんなに涙が溢れて止まらないのは、父さんの血に染まった、あの夜以来だった。
柔らかく髪を梳いて、子どもをあやすように抱きしめてくれる、
その感触が、ひどく切なくて、ルルーシュの制服を皺になるとかも考えないで、きつく握り締めた。
ルルーシュ
きっと、君は「この馬鹿!!」って怒るだろうけれど。
僕は、君を守って死にたいんだ。
[END]